玄箱でNetBSDを動かすをLinkStationを使って、実際に試してみた。そのめも。
なお、この文書で扱うのは、buffalo.nas-central.orgのいう「HD-HLAN PowerPC (LS1)」です。
注:このページの内容は古くなっています。このページの追試はおすすめしません。(このページの情報は、いわゆる「かわうち版」NetBSD/sandpointの情報になります。)NetBSD公式版を試したものは"LinkStation HD-HLANでNetBSDを試す"に書きました。
はじめに
そもそも、初めて知ったのは、「玄箱でNetBSDを動かす」ではなくて、port-powerpc-ja MLの「KUROBOX Works! (Was: Seeking I2C Driver for MPC824x (kurobox/HG))」だったように思う。自分はこういうことは(も)なんにもできないので、「へぇーすごい人もいるんだなぁ」と思っていた。その後、2006 JNUG総会あとのNetBSD BoFで、くだんの人が発表を行った。現在では、インストールはUSBメモリストレージを使うように改良して、比較的簡単にできるようにされたらしい。試してみよっかな。
でも、わざわざ玄箱を買ってまではね。
ところが、2006年の6月だか7月のNBUG例会の日、知人のところにプリンタがうまく動かないというトラブルのサポートにいったおり、「最近調子悪いんで、新しいのを買ったんだよね」と、LinkStationを買い替えた事を聞いてしまったのがウンのつき。
もちろん調子の悪い方をもらってきましたとよ。
こうしてLinkStationが手に入ってしまったとさ。あとはやるだけ。
NetBSDでdiskをマウントするまで
方針
おすすめのインストール方法によれば、「ハードディスクを取り出してPC上で書き込んでもOKです。この場合はLinux側にrootでログイン出来るようにする必要はありません。」とある。それならばそうしよう。
分解
もらってきたのは、LinkStation HD-HLAN160(v1)。分解はハックキットで有名な山下さんのページを見ながら分解。
埃だらけ。知人は足元に置いていたもんなぁ。調子が悪くなったのは排熱不良の可能性大である。
マウントできない
自分は、ふだん使っているのは、NetBSD/amd64 on Cressida 64T(Turion64 MT-30)なので、Linuxはない。以前調べた時に、ファイルシステムはext2/ext3であることを知っていたので、NetBSDでmountできるやとさっそくusb経由でつないて、mount。
ところが、データがある3番めのMBRパーティション(Linux風にいうとhda3)はなんのエラーもなくmountできるのだが、システムがあるはずの1番めのMBRパーティション(hda1)はまったくmountできない。なんぞエラーがでる。
うーむ。fsckしようと思って、sysutils/e2fsprogsパッケージをmake installしてe2fsckをためしてみてもダメ。
NetBSDがだめなのかも。と、部屋をほじり返し、knoppixを探しだして試してみたけどダメ。Qtpartedも「unknown」などとファイルシステムを示す。
ここで手詰まり。google大明神に聞いてみよう。
すると、同じように苦しんだ人を発見。LiMo WikiWikiのLinkStation:Versionによると、途中でファームがいじられてそうなったみたい。ありがたいことに、マジックナンバー修正ツールとして、問題解決のためのツールが公開されているので、ありがたく使わせていただく。
fix_ext2_magic
ツールのmakeはNetBSD/amd64 3.1_RC2でも通った。(せっかくなのでツールはpkgsrc-wip-jpに入れた。)あとは、README.eucJPのとおりにやるだけ。ただし、NetBSD上でやるときは、当然デバイス名等が違うので注意。下記例。
# cd /path/to/tempdir <-- 適当なディレクトリへ。 # disklabel sd0 <-- sd0はディスク名。usb経由でつなぐとsdになるはず。どこにみえるか確認。sd0eとして見えた。 # dd if=/dev/sd0e of=kurobox.part1.dd # md5 /dev/rsd0e kurobox.part1.dd # fdisk /dev/sd0 > kurobox.fdisk <-- ねんのためfdiskの出力をとっとく。 # disklabel /dev/sd0 > kurobox.disklabel <--- ねんのためdisklabelの出力をとっとく。
バックアップできた。
# /path/to/fix_ext2_magic /dev/rsd0e Block group 0: magic number = 0xef54 Block group 1: magic number = 0xef54 Block group 3: magic number = 0xef54 Block group 5: magic number = 0xef54 Block group 7: magic number = 0xef54 Block group 9: magic number = 0xef54 # /path/to/fix_ext2_magic --fix /dev/rsd0e Block group 0: magic number = 0xef54 -> 0xef53 (fixed) Block group 1: magic number = 0xef54 -> 0xef53 (fixed) Block group 3: magic number = 0xef54 -> 0xef53 (fixed) Block group 5: magic number = 0xef54 -> 0xef53 (fixed) Block group 7: magic number = 0xef54 -> 0xef53 (fixed) Block group 9: magic number = 0xef54 -> 0xef53 (fixed)
お、できたっぽい。
# e2fsck -f /dev/sd0e <-- sysutils/e2fsprogsパッケージを事前にインストールしておく。 e2fsck 1.32 (09-Nov-2002) Pass 1: Checking inodes, blocks, and sizes Pass 2: Checking directory structure Pass 3: Checking directory connectivity Pass 4: Checking reference counts Pass 5: Checking group summary information /dev/sd0e: 1893/32128 files (1.1% non-contiguous), 82165/128488 blocks
fsck通った。
# mount -t ext2fs /dev/sd0e /mnt # ls -al /mnt total 22 drwxr-xr-x 15 root wheel 1024 Feb 3 2022 ./ drwxr-xr-x 25 root wheel 1024 Aug 28 06:36 ../ drwxrwxr-x 2 root wheel 1024 Feb 3 2022 bin/ drwxrwxr-x 4 root wheel 4096 Mar 6 2006 dev/ drwxrwxr-x 22 root wheel 2048 Mar 6 2006 etc/ drwxr-xr-x 2 root wheel 1024 Jan 9 2004 home/ drwxr-xr-x 4 root wheel 2048 Feb 3 2022 lib/ drwxr-xr-x 2 root wheel 1024 Feb 20 2002 lost+found/ drwxr-xr-x 2 root wheel 1024 May 16 2003 mnt/ drwxr-xr-x 7 root wheel 1024 May 23 2003 mnt2/ drwxr-xr-x 10 root wheel 1024 Nov 29 2001 proc/ drws------ 3 root wheel 1024 Apr 17 2003 root/ drwxrwxr-x 2 root wheel 2048 Feb 3 2022 sbin/ lrwxrwxrwx 1 root wheel 13 Feb 3 2022 tmp@ -> mnt/spool/tmp drwxrwxr-x 8 root wheel 1024 Aug 27 2003 usr/ lrwxrwxrwx 1 root wheel 12 Feb 3 2022 var@ -> mnt2/ram/var drwxrwxrwx 8 root wheel 1024 Apr 6 2004 www/
やったー。mountできたー。
インストール
前提
手頃なUSBメモリが手元にない状況で、なんとかインストールしてみる。
NetBSDをsysinstを使わずにインストールしたことがないという人は、『NetBSD オペレーティングシステム 簡単なガイド』の「B.sysinst を使わないインストール」を事前に読んでおくといいかも。
とりあえずtelnetdの設置
必要なくてもやってみたくなるのよ。
LiMo WikiWikiのLinkStation:LinuxBoxによれば、「YellowDogLinux や Vine-PPC あたりが使えます」との事なので、取ってくる。
ftp -A ftp://ftp.yellowdoglinux.com/pub/yellowdog/releases/yellowdog-2.3/ppc/YellowDog/ppc/telnet-server-0.17-20.ppc.rpm
-Aをつけているのは、パッシブ接続ではうまくとってこれなかったため。
とってきたら、misc/rpmパッケージをNetBSD上にインストールし、
% mkdir /path/to/dir % cd /path/to/dir % rpm2cpio /path/to/telnet-server-0.17-20.ppc.rpm | cpio -idm
で、実行dirに展開されるので、telnetdバイナリをHDにコピーすればよい。
# cp usr/sbin/in.telnetd /mnt/usr/sbin
あとは、inetd.confのtelnetdの行を有効にすればOK。
rootパスワードを空にしておくの忘れないように。(最初にloginした時につけなおす。)
NetBSD化の準備
おすすめのインストール方法を読む限りでは、いきなりブートセレクタの設置からやってもよさそう。じゃぁそうしよう。
NetBSD-3.0.1系となんちゃってブートセレクタ2を使う方を選び、下記のように配置した。
- カーネルはサンプルカーネルをそのまま配置。
- ブートセレクタはtar ballを展開して、Makefileをみながら手動で設置。
- ブートローダはv2とv3のどちらでもいいみたい。v3を使用することにした。本家の説明のまま。
- /etc/kuro_boot.conf
- v2ローダを使用するようになっているので、v3に書き換え。
- AVR=ttyS1に。
- No.2のを有効にしておく。(そうなっているはず。)
NetBSDのインストール
NetBSD/sandpointをインストールする。まずは場所空けから。本家の説明どおり、MBRパーティションの3番めを縮めて、4番めをつくり、そこにNetBSDをインストールする。
GNU partedがパッケージにないので、knoppixを使って、knoppix上のGNU partedで作業することにする。詳細は省略。ついでに、MBRパーティションの4番めもcfdiskでつくっておく。(これは、NetBSD側でしてもいいけど、めんどくさかったので。)
あとはNetBSDで作業。disklabelをこしらえ、newfsする。
まずはfdiskで確認。
# fdisk /dev/sd0 Disk: /dev/sd0d NetBSD disklabel disk geometry: cylinders: 152627, heads: 64, sectors/track: 32 (2048 sectors/cylinder) total sectors: 312581808 BIOS disk geometry: cylinders: 1023, heads: 64, sectors/track: 32 (2048 sectors/cylinder) total sectors: 312581808 Partition table: 0: Linux native (sysid 131) start 63, size 256977 (125 MB, Cyls 0/1/32-125/32/17), Active 1: Linux swap or Prime or Solaris (sysid 130) start 257040, size 514080 (251 MB, Cyls 125/32/17-376/33/17) 2: Linux native (sysid 131) start 771120, size 6136830 (2996 MB, Cyls 376/33/17-3373/1/15) 3: NetBSD (sysid 169) start 6907950, size 305668755 (149252 MB, Cyls 3373/1/15-152625/22/2)
問題ないようだ。
disklabelを書こう。まず確認。
% disklabel sd0 # /dev/rsd0d: type: SCSI disk: mydisk label: fictitious flags: bytes/sector: 512 sectors/track: 32 tracks/cylinder: 64 sectors/cylinder: 2048 cylinders: 152627 total sectors: 312581808 rpm: 3600 interleave: 1 trackskew: 0 cylinderskew: 0 headswitch: 0 # microseconds track-to-track seek: 0 # microseconds drivedata: 0 8 partitions: # size offset fstype [fsize bsize cpg/sgs] c: 305668755 6907950 unused 0 0 # (Cyl. 3373*- 152625*) d: 312581808 0 unused 0 0 # (Cyl. 0 - 152627*) e: 256977 63 Linux Ext2 0 0 # (Cyl. 0*- 125*) f: 514080 257040 swap # (Cyl. 125*- 376*) g: 6136830 771120 Linux Ext2 0 0 # (Cyl. 376*- 3373*) h: 305668755 6907950 4.2BSD 0 0 0 # (Cyl. 3373*- 152625*) disklabel: boot block size 0 disklabel: super block size 0
aにNetBSDのシステム領域、bはLinux swapと共通のswap、eはそのまま、gはfにし、gはデータ領域にすることにしよう。
disklabel -i -I sd0
でインタラクティブモードに入るので、編集する。編集結果は、
# size offset fstype [fsize bsize cpg/sgs] a: 18948096 6907950 4.2BSD 0 0 0 # (Cyl. 3373*- 12625*) b: 514072 257048 swap # (Cyl. 125*- 376*) c: 305668755 6907950 unused 0 0 # (Cyl. 3373*- 152625*) d: 312581808 0 unused 0 0 # (Cyl. 0 - 152627*) e: 256977 63 Linux Ext2 0 0 # (Cyl. 0*- 125*) f: 6136830 771120 Linux Ext2 0 0 # (Cyl. 376*- 3373*) g: 286725762 25856046 4.2BSD 0 0 0 # (Cyl. 12625*- 152627*)
になった。本家には、Linux swapのoffsetを+8、sizeを-8した値をswapにするようにアドバイスがあるので、そうした。
次は、newfs。これがusb経由だからか、HDの回転速度が3600rpmだからかどうかはしらんけど、とんでもなく時間がかかる。aパーティションとgパーティション合計で、一晩はかかった。(ほかっておいて、寝てしまったので何時間かかったかはわからないのだ。)気になったので、gパーティションだけやりなおして/usr/bin/timeで時間を計った。結果は、
real 66534.34 user 3.34 sys 65843.88
...。単位は秒である。こんなに遅いもんだっけ?
ファイルの展開
- 次に、HDを/mntにmountして、NetBSD/sandpoint 3.0.1のbase.tgzとetc.tgzを展開。
- サンプルカーネルを/mnt/netbsdとして設置。
- 3.0ベースの追加/上書きファイル群(kuro_annex3.YYYYMMDD.tar.bz2)を展開。
- /mnt/etc以下を適当に編集
- ifconfig.tlp0
- IPアドレスを固定でふる(DHCPは使っていないので)
- rc.conf
- dhclientとno_swapの行をコメントアウト
- hostnameを変えるとか
- sshd=YESするとか
- fstab
- gパーティションを/dataなどとしてmountするとか
- ifconfig.tlp0
AVR制御デーモンがない
kuro_annex3を展開して気づいたのだけれども、kuro_avrdがない。/mnt/etc/rc.d/kuro_avrdという起動スクリプトはあるけど、/mnt/usr/local/sbin/kuro_avrdがない。あわてて本家のページを見に行くと、ソースでしか配布されていない。
うーん。どうしよう。
- USBメモリを買いにいくか。
- 本家配布のUSBメモリ用imgをmountして、そっから取り出すか。
- クロスコンパイル?
悩んだ末、クロスコンパイルなんてしたことなかったので、してみることにした。
NetBSD/sandpointの3.0.1のソースをとってくる。cvsからとってくると楽。
とってきたら、toolchainをつくる。/var/tmp/cross-sandpointにつくるとすると、
/bin/sh ./build.sh -U -u -T /var/tmp/cross-sandpoint -m sandpont tools
ここからどうしていいかわからなかったので、苦労したが、結論からいえば、
/bin/sh ./build.sh -U -u -T /var/tmp/cross-sandpoint -D /var/tmp/destdir -m sandpont build /bin/sh ./build.sh -U -u -T /var/tmp/cross-sandpoint -D /var/tmp/destdir -m sandpont distribution
して、NetBSD/sandpoint 3.0.1をつくる。
できたら、下記のようにする。
cd /var/tmp/cross-sandpoint/powerpc--netbsd ln -s /var/tmp/destdir/usr/include . cd lib ln -s /var/tmp/destdir/usr/lib/* . ln -f -s /var/tmp/destdir/lib/* .
そして、AVR制御デーモンのソースを展開して、あとはmake。
% env PATH=/var/tmp/cross-sandpoint/powerpc--netbsd/bin:${PATH} which gcc /var/tmp/cross-sandpoint/powerpc--netbsd/bin/gcc % env PATH=/var/tmp/cross-sandpoint/powerpc--netbsd/bin:${PATH} make all gcc -Wall -o kuro_avrd kuro_avrd.c -lutil strip kuro_avrd
お、makeできたっぽい。確認しよう。
% file kuro_avrd kuro_avrd: ELF 32-bit MSB executable, PowerPC or cisco 4500, version 1 (SYSV), for NetBSD 3.0.10, dynamically linked (uses shared libs), stripped
やったー。できたー。(NetBSD 3.0.10になっているけど、いいんかな。)
あとは、/mnt/usr/local/sbinに移すだけ。
ではbootしてみる
まずはLinux
HDをLinkStationに戻して、電源をいれてみる。そのまま放置してくるとLunuxが起動してくるはず。もともと付けていたIPアドレスにtelnetしてみる。
% telnet 192.168.10.250 Trying 192.168.10.250... Connected to 192.168.10.250. Escape character is '^]'. Password: Login incorrect HD-HLAN995 login: root Linux (none) 2.4.17_mvl21-sandpoint #970 2003年 9月 9日 火曜日 17:27:19 JST ppc unknown root@HD-HLAN995:~#
無事、Linux boot。パスワードをつけて、電源ボタンを長押しして、shutdownする。
次はNetBSD。ところが...
bootしてこない
次はNetBSD。ところが、ちゃんとbootしてこない。
DISK FULL LED点灯中に、電源ボタンは2回押したし、それにブートセレクタは忠実に反応したようで、DIAG LEDはちゃんと2回点滅する。
でもpingもかえってこないし、telnetもできない。HDの音を聞いていると、カーネルをよんだ瞬間で止まっているようだ。(根拠はないけど。)
よく考えると
NetBSD側でMAKEDEVしてないや。あぁ。ということで、再度HDを外して、NetBSD/amd64上でmountして、MAKEDEVする。NetBSD/amd64上でしてもいいのかどうか不安だけど、とりあえずする。
本家より、MAKEDEVファイルをダウンロードして、入れ替えたあと、
# cd /mnt/dev # ./MAKEDEV
でもbootしない
しかしやっぱりbootしない。
DIAG LEDはちゃんと2回点滅しているので、ブートセレクタの先の問題か。
やっぱり、NetBSD/amd64上でフォーマットからdisklabel書きからMAKEDEVやら、やったのが間違いかなぁ。シリアルコンソール改造をすれば、コンソールに何か出ていて、もう少しわかるのだけれども、改造はちょっとなぁ。
USBメモリを買いにいくか。うーん。ここまで来て敗北かぁ。
あれこれためす
パーミッションを確認したり、ファイルを入れ換えて見たりするも、bootしない。
いやになって、しばらくほかっておいた。
ふと、手動でbootさせるとどうなるかと思った。Linux側でbootし、
# cd /lib/modules/`/bin/uname -r`/kernel # (sleep 30; umount -a; sync; insmod nbloader_v3.o kernel=/boot/netbsd.bin bootdev=0xa0000000) &
して試す。
すると、やっぱりbootしないが、DIAG LEDが3回点滅を繰り返すようになった。
もしかして、bootloader_v3ではうまくいかない?
そこで、bootloader_v2を使うように、kuro_boot.confを書き換えて、再度bootしてみた。
ようやくboot
あ、なんかHDの音が違う。DIAG LEDが2回点滅の後、しばらく音がする。これは!
pingしてみる。
% sudo ifconfig vr0 inet 192.168.200.2/24 up % nmap -sP 192.168.200.0/24 Starting Nmap 3.95 ( http://www.insecure.org/nmap/ ) at 2006-11-13 04:43 JST Host 192.168.200.2 appears to be up. Host 192.168.200.200 appears to be up. Nmap finished: 256 IP addresses (2 hosts up) scanned in 2.061 seconds
反応がある!
telnetしてみる。
% telnet 192.168.200.200 Trying 192.168.200.200... Connected to 192.168.200.200. Escape character is '^]'. Trying SRA secure login: User (isihara): bsduser Password: [ SRA accepts you ] NetBSD/sandpoint (MYBOX) (ttyp0) Copyright (c) 1996, 1997, 1998, 1999, 2000, 2001, 2002, 2003, 2004, 2005 The NetBSD Foundation, Inc. All rights reserved. Copyright (c) 1982, 1986, 1989, 1991, 1993 The Regents of the University of California. All rights reserved. NetBSD 3.0.1 (GENERIC.KUROBOX) #1: Fri Jul 28 14:20:56 UTC 2006 Welcome to NetBSD! Terminal type is screen. We recommend creating a non-root account and using su(1) for root access. MYBOX%
やったーNetBSD化できたー。
現在の問題点
そもそも、本家お薦めのインストール方法でインストールしていないNetBSDを入れているのだから、しょうがないともいえる。えーん。
-
電源ボタンや、shutdown -h nowやshutdown -r nowで落とした時、再度あげても、NICが使えなくなることがある。(電源ボタンとかはきいているので、動いているのだと思う。)いろいろ調べたのですが、いまいちよくわからない。電源ボタンやshutdownコマンド以外で落ちた時(コンセントを抜かれていきなり落ちた時とか)、NICが使えなくなることが多い、かな。こうなったら、コンセントも抜いて、完全に電源を落として、Linux側を上げて、echo -n 'CCCC' > /dev/ttyS1; shutdown -r nowして、そのあとNetBSD側を上げると、なおるみたい。 - NFSで負荷をかけると無反応になる。これは、非力なNFSサーバ(LinkStation)にたいし、高速なNFSクライアント(最近のパソコン全部)でUDPでmountとしているとおこる。TCPで接続すると、よい。(NetBSDだとmount_nfs -T。)
-
NFSで負荷をかけるとときどき無反応になる。無反応になる直前に「tlp0: transmit underrun; new threshold: 96/256 bytes」のようなlogをsyslogに残す。tlpのドライバの不具合のようだがよくわからない。 - NFS等で負荷をかけると、ときどき無反応になる。全然原因がわからなかったが、これは、kuro_avrdの反応が遅くなってしまって、おこるみたい。/usr/bin/renice -n -20とかしてあげると、無反応になることはほとんどなくなった。(1分平均のload averageが0.4以上になると、そうなるようなsh scriptを書いて、cronで回している。)
- 室温が高めのところや、LinkStationの空気の流れをふさいでしまうようなところにおいておくと、hungupする。空気の流れを防がないようにし、ファンを高速で回すようにする。(/sbin/atactl wd0 smart status | grep Temperature | awk '{print $8}'、とかやるとHDDの温度が取得できたので、30度を越えると高速で回すようなsh scriptを書いて、cronで回している。)
参考 & 謝辞
下記のWebページのおかげで、isiharaは楽しむことができています。感謝です。_o_
- ハックの第一歩。分解
- LED
- AVR Commands
- LinkStation改造メモ
- LinkStation:LinuxBox
- OpenBlockS users room
- NetBSD/sandpoint
そして、本家こと、かわうち様の
- 玄箱でNetBSDを動かすの各ページ!
追記[2008/7/17]
本家でNetBSD 4.0ベースのものが配布されていることを知ったので、Updateをしてみました。
やったことは、まっさらインストールとそんなに変わりなくて、
- 分解して、ハードディスクをとりだして、別のNetBSDマシンでmount。
- システムのあるパーティション(aパーティション)からいるものを退避。
- /etcと/usr/pkg/etcはとっとく。
- システムのあるパーティション(aパーティション)をnewfs。
- とってあった、/etcを展開。
- downloadのページにある本家のパッチ(20080123.netbsd-4.diff.bz2)をダウンロード。
- NetBSDのnetbsd-4枝の最新ソースをとってきて、上記パッチをあてる。
- uplcom.cのところがrejctされるけど、使わないところなので、無視することにする。
- configファイル(KUROBOX)をちょっといじる。
- LFSとTMPFSを追加。;)
- ユーザランドをコンパイルしてインストール
- /path/to/cross-sandpoint の下にmakeしてできるものをあつめることにする
- ./build.sh -U -T /path/to/cross-sandpoint/tools -D /path/to/cross-sandpoint/destdir -O /path/to/cross-sandpoint/obj tools
- ./build.sh -U -T /path/to/cross-sandpoint/tools -D /path/to/cross-sandpoint/destdir -O /path/to/cross-sandpoint/obj distribution
- sudo ./build.sh -U -T /path/to/cross-sandpoint/tools -D /path/to/cross-sandpoint/destdir -O /path/to/cross-sandpoint/obj install=/mnt
- postinstallのチェックをいろいろ通らないので、エラーをみて直す。
- 本家のUSBメモリからのブートのページで配布している追加/上書きファイル群(kuro_annex40.sandpoint.20080229.tar.bz2)を適当なとこに展開し、いるものを上書きコピー。
- dev/MAKEDEV
- etc/rc.d/kuro_avrd
- sbin/disklabel
- usr/local/sbin/kuro_avrd(今回はAVRデーモンが入っています♪)
- (これ以外は、すでにある。)
- デバイスファイルをつくりなおす。
- cd /mnt/dev; ./MAKEDEV all
- カーネルをコンパイルしてインストール。
- ./build.sh -U -T /path/to/cross-sandpoint/tools -D /path/to/cross-sandpoint/destdir -O /path/to/cross-sandpoint/obj -m sandpoint kernel=KUROBOX
- 一番最後のところで、「powerpc--netbsd-dbsym: symbol table (379480 bytes) too big for buffer (373760 bytes) Increase options SYMTAB_SPACE in your kernel config」などというエラーがでるはずなので、configファイル(KUROBOX)のSYMTAB_SPACEの値を直して、再度コンパイルしなおす。(この例でいうと、379480にする。)
- 再度コンパイルして、出なくなったことを確認。
- ねんのため、/mnt/netbsdにできたカーネルをコピー。
- /path/to/cross-sandpoint/obj/sys/arch/sandpoint/compile/KUROBOX/netbsd
- Linuxパーティションの/boot/netbsd.binにもコピー。
- /path/to/cross-sandpoint/obj/sys/arch/sandpoint/compile/KUROBOX/netbsd.bin
あとは、bootできるか確認をして、必要なパッケージをばしばしmake installするだけ。
無事、NetBSD 4.0系になりました。(本家こと、かわうち様ありがとうございます。)dmesg.txt
おまけ。いわゆる"bcbench"の結果 ;)。
% /bin/echo "scale=2000; e(1)" | /usr/bin/time -p bc -l > /dev/null real 66.74 user 66.46 sys 0.01 % /bin/echo "scale=2000; 4*a(1)" | /usr/bin/time -p bc -l > /dev/null real 54.38 user 54.00 sys 0.01
間違いの指摘や、ご意見などは、FrontPageにある連絡先にメールを下さるとうれしいです。
最終更新時間:2018年02月04日 07時37分30秒